企業の社長のように「組織のトップに立つ者」というのは、確固たる見解というのを持つのは当然のこと。ただ、その一方で「部下や他人の意見を聞く耳を持つ」というのも重要です。

例えば、いわゆる「ワンマン社長」が船長で、部下を乗せて航海に出たとします。途中で「社長！このあと雲行きが怪しいですから、あの港にいったん寄りましょう」と、部下が意見したのに、「このくらいの天気なら大丈夫だ！」と聞き入れなかったばかりに、天気が崩れて、海難事故につながってしまう…ということもあります。

実際、あの映画にもなった「タイタニック号」も、氷山の存在を２回も警告されていたにもかかわらず、船長が聞かなかったばかりに、衝突し沈没してしまった…と言われています。

もちろん、これは極端な例ですが、人間の目というのは四方八方、すべてを見渡せるわけではないんです。どうしても自分では見えないところ…というのはあるのです。それを代わりに見てくれるのが、部下であったり社員であったり、仲間なのです。

もちろん最終的に決断し、責任を負うのはトップの役目です。でも、そこに行き着くまで、誰からの意見にも耳を貸さず、すべて独断でやってしまったら、たとえ成功したとしても、部下や社員のモチベーションは下がり、何も言わなくなり、ともすれば去ってしまうこともあります。

トップに立つ者だからこそ、様々な意見に耳を傾けなければならないと思います。