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  • ニッポン放送

名刀にも多少の傷あり

「銀色に光り輝く優れた刀」のことを「名刀」といいますが、どんな名刀でも何十年も使っていれば、多少の刃こぼれは出るもんなんです。

それと同じで、世の中には「完全無欠」と言われる人なんていません。いくら「聖人君子」と呼ばれようと人間ですから、誰だって短所や弱みの1つ2つはあるんです。

ところが世の中には、その人のたくさんある〝良いところ〟を見ようとしない。それどころから、ほんのわずかしかない「良くないところ」を、ことさら言い立てて、批判や非難する傾向があるんです。

もちろん、犯罪や法律違反をしたのなら、叩かれても当然。自業自得。ところが、そんなことは全くしていない。ましてや本業とはまったく関係のない、プライベートなことといった「小さな傷」を、重箱の隅を突くようにして論評して、クローズアップする風潮になっているのが、今の時代。それによって、せっかくの良いところも全否定されてしまうのは非常に残念。 

「木を見て森を見ず」ということわざがあります。これは「小さいことや細かいことにとらわれて、全体を見渡せない」という意味ですが、欠点など小さなことにとらわれて、人格といった大事なことを見失ってはいけません。

世の中がそういう風潮だと、皆がスキャンダルを恐れて、守りの姿勢に入っているようになる。もしくは「表」と「裏」の顔を使い分ける人が、のし上がっていってしまうのです。