この「禄」とは「給与」とか「お金」のことです。武家時代、主人から与えられる給与の額のことを「禄高（ろくだか）」といいましたが、その「禄」です。

昔から「金の切れ目は縁の切れ目」といわれていますが、景気がいい時、お金がある時は人がパーッと集まってくるのに、悪くなった瞬間、誰も寄りつかなくなった…ということが、実際よくあると思います。寂しいことなんですが、それだけ「お金」の威力というのは凄いもので、それで人と人とが結びついているのも事実なんです。逆に言えば、お金がなくなった瞬間、結びつきもなくなってしまうのも事実なんです。

その一方で「お金」ではなく「心」の結びつきの場合、長く深く続くものなんです。学生時代の友達との付き合いが長く続くのも、「心」で結びついているからです。

世の中には「お金がすべて」「お金が第一」という人はいます。でもそういう人のところって、お金があまりやって来ない気がするんです。

「メリーチョコレート」の創業者・原 堅太郎さんは、お客さんに「美味しい」と言ってもらいたい気持ちから、「品質の良い、美味しいチョコレートづくり」を目指して、取り組んでこられました。「チョコレートは儲かるから作ろう」ではないんです。そういった思いが、その後の「メリーチョコレート」の成功につながったのです。